沖縄離島の津堅島旅行| 沖縄ツーリストは格安ツアー・プランをご案内します!

上質な土と地形に育まれたぎゅっと甘い津堅ニンジン。

津堅島が起伏の少ない平坦な島だということは、
本島からの船が出航するうるま市の平敷屋港からも見てとれた。
まるで、水平線上に横たわっているような佇まいで、
知念半島と勝連半島の間に挟まれた中城湾が猛烈に時化れば、
海面の下に沈んでしまうのではないかと思うほどだった。
フェリーに揺られて約30分。島のターミナルに到着すると、
そこには、リゾート地のような華やかさはなく、
漁港では、広い空の下で日焼けした体格のいい漁師が汗を流し、
歩道のベンチでは、おばぁたちが弁当を広げて青空ランチをしていた。
「なんもねぇ島だ。ほんとなんもねぇ。あるのはニンジンだけだ」。
彼女らに島の魅力は何かと尋ねると、皆そう口を揃えた。
島のおよそ8割が畑で、そのうちの6割がニンジン畑。
集落の北側にある標高39mの“バンタ”と呼ばれる小高い岬の上には、
ニンジン形の展望台があり、中の螺旋階段を登って島全体を見渡すと、
陸地を埋め尽くすかのようにニンジン畑が広がっていた。
“キャロットアイランド”の愛称で親しまれているのも、深く頷けた。

展望台を後にして、陸地を意味する“アギのパタキ”へと向かった。
島の周囲は約8.9km。自転車でゆるりと巡ってもおよそ40分。
畑では30cmほどの高さの青々としたニンジンの葉が絨毯のように広がり、
太平洋から一直線で吹き抜ける風を受けて、気持ちよさそうに揺れていた。
厚い雲の隙間から差し込む太陽が、葉の輪郭と彩りを際立たせる。
背の高い緑が作る一本道を抜けた広い畑で、
恩納謙太さんが畑仕事をしていた。
聞けば、祖父母の代から40年もニンジン栽培を続けているという。
「ニンジンがうまいのは、このサンゴ石灰岩土壌のおかげだ」と、
彼が地面から手で軽くすくって見せてくれたのは、
本島中南部や宮古島などにも分布する“島尻マージ”と呼ばれる土。
赤みがかった黄褐色でふっくらと柔らかく、こねると粘土のように固まる。
この土は、弱アルカリ性で水はけがよく、有機物の分解が早いため、
ニンジンや芋類などの根茎作物の栽培に適しているのだと教えてくれた。
「地形にも恵まれている」とは、謙太さんの叔父にあたる赤嶺栄福さん。
津堅島は、本部港からの印象通り一面なだらかな平地。
そのため、潮風が運んできたミネラルをおもいっきり浴び、
カロチンを多く含んだ栄養満点のニンジンが育つのだという。
ただ、良質な土の畑で無農薬栽培を続けるのは容易なことではない。
「土がいいから、雑草もよく生える。朝抜いても、翌朝にはまた生える。
しかも、ニンジンは繊細だから、すべて手で抜かないといけない」。
赤嶺さんは、夜明けと同時に畑へ軽トラックを走らせ、
日差しが照りつける正午まで雑草や小石をハンドピックする生活を、
彼が農業に関わるようになった4年前から毎日続けている。
津堅にんじんは、夏の台風を避けて1月末〜3月を目処に収穫する。
だが、10月〜12月であろうと天候はまったく読めない。
「ずっと気が抜けない」と、彼は真剣な眼差しで畑をじっと見つめていた。

「もしよろしければ、ニンジン料理を食べにきませんか?」
赤嶺さんの優しい言葉に誘われ、車の荷台に乗せてもらった。
ガタガタと揺れる畦道も、島の風景に同化するようでなんだか心地いい。
5分ほど南下して集落へ入り、細い路地を走っている道中、
島内に3つしかないという商店のうちの1つ〈あずま〉に立ち寄った。
店の奥からご主人が「これつまんでみて」と、
朝漬けたばかりだという島産ニンジンのピクルスを差し出してくれた。
頬張って噛むと、酸味のすぐあとに濃厚な甘さが広がる。
「しりしりや天ぷらだけでなく、マリネやきんぴらなど、
どの家でも常備菜をストックしている」というご主人の言葉から、
ニンジンがどれほど島の暮らしに根付いているかが垣間見えた気がした。
店を出て、集落の中心部にある赤嶺さんの自宅を訪れると、
娘の知子さんとかおりさんが、キッチンですでに食事の準備を終えていた。
卵とあわせて炒めたニンジンしりしりに、ニンジンの葉を混ぜたかき揚げ。
やはりどれも甘く、天ぷらは塩を振って食べるとより甘さが引き立つ。
そもそも、赤嶺さんが4年前から農業をスタートしたのには理由があった。
「この島のニンジン栽培では、殺虫剤や除草剤を一切使わないので、
変形したり、割れたりしてしまう規格外のニンジンが大量に出て……。
かつては、そのB品の使い道がなく廃棄されていましたが、
それでは、大事に育てられたニンジンがもったいないと考えて、
本島で営んでいた建設業を辞めて、ニンジン加工会社を設立したんです」。
1943年に津堅島の農家に生まれ、まだ2歳だった頃に沖縄戦を経験する。
米軍に占領されて本島に移され、1949年にようやく帰島を許された。
だが、焼け野原となった島で、産業はまったく育たなかった。
そのとき島民を救ったのが、内地から持ち込まれたニンジンだった。
B品を加工して生まれた “津堅島にんじんサイダー”は、
島の特産物となり、本島でも人気を博すまでになった。
現在では、ひとつの象徴としてニンジンはあり、
“ユイマール”で支え合う暮らしにおいても欠かせない存在だ。
島民の愛情を目一杯に受けた甘い甘いニンジンは、
今日も太陽の光と豊かな潮風を浴びて育っている。

DATA

  • 島の面積:1,88km²
  • 島の周囲:8.9km
  • 島民数:470人(193世帯)*
  • 島のアクセス:平敷屋港~津堅港へ
    高速船で約15分・フェリーで約30分
    1日5便(始発と最終は高速船)詳しくはこちら >>
  • 島の飲食店:1店*
  • 島の宿泊:4施設*
  • 島の商店:2店*
  • 島のレンタサイクル:1施設*
  • 島のレジャー施設:1施設*
  • 島の観光案内:1箇所*
    *2010年現在

その他、お問い合わせ先
一般社団法人 うるま市観光物産協会 電話:098-978-0077

津堅島では2015年12月現在、ハブの生息は確認されておりません。

津堅みやらび

営業時間:10:00~15:00  休み:不定休
住所:沖縄県うるま市勝連津堅32 電話:008-978-7568

南原旅館

住所:沖縄県うるま市勝連津堅1524
電話:098-978-6247

民宿神谷荘

住所:沖縄県うるま市勝連津堅1472−4
電話:098-978-3027

民宿つけん

住所:沖縄県うるま市勝連津堅2625
電話:098-978-3024

民宿おうち

住所:沖縄県うるま市勝連津堅1198−8
電話:080-6482-4340

特産品売り場(津堅港ターミナル内)

営業時間:フェリーの時間に合わせて 定休日:年中無休
住所:沖縄県うるま市勝連津堅1472
電話:098-978-3063

津堅島公民館(離島振興総合センター)

住所:沖縄県うるま市勝連津堅27
電話:098-978-7510

有限会社 神谷観光(要予約)

住所:沖縄県うるま市勝連平敷屋3784-21
電話:098-978-1100

あずま商店(レンタサイクル)

営業時間:7:00~22:00 定休日:年中無休
住所:沖縄県うるま市勝連津堅1195
電話:098-978-4029

そのほかの魅力

津堅みやらび

船の発着所である津堅港から目と鼻の先にある食事処。沖縄そばやチキンカツ定食、しょうが焼き定食などどれもボリュームがあり、昼になると漁港で働く男たちでごった返す。津堅にんじんを贅沢に使った料理に、津堅にんじんサイダーがついた“キャロットプレート”が食べられる。

津堅みやらび

営業時間:10:00~15:00  休み:不定休
住所:沖縄県うるま市勝連津堅32 電話:008-978-7568

あずま

津堅島の港から集落に入り、徒歩5分ほどで着く商店。食料品やドリンク、生活雑貨に加え、採れたての新鮮な野菜も販売しているので、買い出しをするにはとにかく便利。朝7時から夜の22時まで営業しているのも嬉しい。自転車のレンタルも行っていて、1日使い放題で500円。

あずま

営業時間:7:00~22:00 無休
住所:沖縄県うるま市勝連津堅1195 電話:098-978-4029

南原旅館

あずま商店から歩いて30秒のところにある老舗旅館。トイレと風呂は共同だけど、部屋から港の方角に見えるオーシャンビューは格別。1階は食事処としても開放していて、わずか600円で地元産の魚介やしょうが焼きなどの日替わり定食を味わえる。

南原旅館

住所:沖縄県うるま市勝連津堅1198−8 電話:098-978-6247

ホートゥガー

島の西部の断崖絶壁にひっそりと隠れるようにある井戸。ホートゥとは鳩のことで、カーとは井戸を意味する。昔、日照りが続いて水不足に喘いでいた時期、鳩だけはなぜか羽を水で濡らしていた。その鳩を追うと泉があり、掘ってみると清水が湧き出てきたという伝説が名前の由来。

トゥマイ浜

津堅島の島民が呼ぶ“ビーチ”とは、西岸に1kmほど続くトゥマイ浜のこと。沖縄の離島の中でも特に透明度が高いと言われ、波も穏やかなので、散歩したり寝そべって読書にふけったりするのに最適。波がそのままの状態で固まったようなビーチロック(石灰質砂礫岩)も見られる。

アラカー

津堅島小学校の裏手にある丘、アラカーグスクの麓にある井戸。ウブガーと呼ばれる生命と関わる神聖な場所であり、子供が産まれたときのはこの井戸の水を使って体を洗い、死者の体を清めるときの水としても使用されていた。元日の朝に神棚に供える若水は、このアラカーで汲む。

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